MaccyでChatGPT・Claudeのプロンプト集を作る方法【Mac】

MaccyでChatGPT・Claudeのプロンプト集を作る方法【Mac】

2026年10月21日更新 · 読了時間の目安:約8分

結論:Maccyのピン留めで、手軽なプロンプト集になる

繰り返し使うプロンプトをコピーしてMaccyにピン留めすれば、軽量なプロンプト集として使えます。ピン留めしたアイテムはクリップボード履歴の先頭に残り、キー入力で検索でき、ショートカット一つでChatGPT、Claude、その他あらゆるアプリにペーストできます。よく使うプロンプト10〜25個の管理に向いていますが、テンプレート機能や変数機能はありません。

なぜクリップボードマネージャがプロンプト管理に向いているのか

多くの人にとっての「プロンプト集」は、メモアプリのファイルやNotionのページ、あるいはうまくいった過去のチャットをスクロールして探す作業ではないでしょうか。毎回の手間は同じです。アプリを切り替え、プロンプトを探し、選択してコピーし、元のアプリに戻ってペーストする。

クリップボードマネージャなら、この流れが一動作で済みます。ショートカットを押し、2〜3文字入力して、Returnキーを押すだけ。しかもデータはMacの外に出ません。プロンプトには、自分の仕事の進め方や取り組んでいる内容、勤務先が重視していることまで滲み出るものなので、この点は意外と大切です。

Maccy Appが向いているのは、意図的にシンプルに作られているからです。無料でオープンソース、キーボード中心の操作で、履歴はローカルに保存されます。裏を返せば、スニペット管理ツールではないという限界もあります。どこが弱点になるかも、この記事で正直に書いていきます。

5分でできる、プロンプト用のMaccyセットアップ

  1. Maccyをインストールする。公式サイトまたはGitHubのリリースページから入手するか、Homebrewで brew install maccy を実行します。
  2. ポップアップを開く。デフォルトのショートカットは Shift+Command+C です。Maccyの設定から変更できます。
  3. プロンプトをコピーする。普段プロンプトを保管している場所からコピーします(任意のテキスト入力欄に書いてからコピーしても構いません)。
  4. ピン留めする。Maccyを開き、対象のアイテムをハイライトして Option+P を押します。ピン留めしたアイテムは先頭に移動し、ショートカットキーが割り当てられます。
  5. 履歴の保存件数を増やす。普段のコピー&ペーストにもMaccyを使っている場合は、履歴が混み合ってもピン留めしたプロンプトが埋もれないよう、上限を引き上げておきましょう。

以降の流れは、Maccy Macを開く → プロンプトの先頭の数文字を入力 → Return の3ステップです。Maccy Clipboardは入力に合わせてその場で絞り込むので、特徴的なタグで始まるプロンプト(下の命名のコツを参照)なら、2〜3キーストロークで呼び出せます。

運用の鍵になる、たったひとつの命名ルール

Maccyは各アイテムの冒頭部分をプレビュー表示します。そこで、すべてのプロンプトの先頭に [edit]、[summarize]、[review] のような短いタグを角括弧付きで付けておきます。すると、Maccyの検索ボックスに「edit」と打つだけで目的のプロンプトが即座に出てきますし、ピン留めの一覧も見渡しやすいまま保てます。

ピン留めしておきたい、再利用できる12個のプロンプト

ここで紹介するプロンプトは特定のツールに依存せず、ChatGPTでもClaudeでも使えます。ペーストしたあとで、角括弧のプレースホルダーを書き換えてください。表現は自分の口調に合わせて調整しましょう。手を入れて育てたプロンプトは、汎用のものより確実に価値があります。なお、下のプロンプトは日本語の文章を扱う前提で書いています。英語で使う場合は、そのまま英訳して構いません。

文章の執筆・校正

1. [edit] 文体はそのままに、簡潔に整える

[edit] 以下の文章を、わかりやすさと簡潔さの観点で推敲してください。私の文体と意図は変えないでください。冗長な表現を削り、文法を直し、意味が曖昧な文は黙って書き換えず、その旨を指摘してください。出力は推敲後の文章、続けて変更点の短いリストにしてください。

文章:
[ここにテキストを貼る]

2. [rewrite] 事実は変えず、トーンだけ変える

[rewrite] 以下の文章を、[トーン:例 率直で親しみやすい] の文体で、[読者] に向けて書き直してください。元の文章にない事実・主張・数字は追加しないでください。文字数は [N] 字以内にしてください。

文章:
[ここにテキストを貼る]

3. [summarize] 決定事項と未解決の論点つきの要約

[summarize] 以下の文章を、箇条書き5点以内で要約してください。そのうえで、(a) 決定事項、(b) アクションアイテム(担当者が書かれていれば併記)、(c) 未解決の論点 を挙げてください。文章に書かれていないことは、推測せずに「記載なし」としてください。

文章:
[ここにテキストを貼る]

思考・リサーチ

4. [critique] 弱点を洗い出す

[critique] 懐疑的なレビュアーとして振る舞ってください。以下の主張を読み、最も弱い論点を3つ、その主張が依存している前提、そしてあなたの考えを変えるのに必要な根拠を挙げてください。具体的に述べ、お世辞は不要です。

主張:
[ここにテキストを貼る]

5. [explain] ちょうどいいレベルで説明させる

[explain] [テーマ] について、[すでに知っていること] は知っているが [知らないこと] は知らない人に向けて説明してください。まず一文で要点を述べ、そこから順に掘り下げてください。具体例を1つ使い、よくある誤解も教えてください。

6. [compare] 判断のための比較表

[compare] [選択肢A] と [選択肢B] を、[自分の状況] の場合について比較してください。この状況で重要な評価軸を使った表を作り、そのうえで推奨案と、推奨を変えるべき条件を示してください。置いている前提があれば明示してください。

コード・技術系の作業

7. [review] コードレビュー

[review] 以下のコードを、シニアエンジニアの立場でレビューしてください。優先順位は、正しさに関わるバグ、セキュリティ上の問題、保守性の順です。各指摘には、該当する行または関数、問題である理由、最小限の修正案を添えてください。ファイル全体の書き直しはしないでください。

言語/フレームワーク: [使用しているもの]
コード:
[ここにコードを貼る]

8. [debug] 構造化したバグ報告

[debug] バグが出ています。修正案を出す前に、まず原因の特定を手伝ってください。

期待する動作: [本来どうなるべきか]
実際の動作: [実際に何が起きるか]
環境: [macOSのバージョン、言語、各バージョン]
エラー出力:
[ここにエラーを貼る]
関連するコード:
[ここにコードを貼る]

まず、可能性の高い原因を確率順に3つ挙げ、それぞれを確かめるために何を調べればよいかを示してください。

9. [regex] テストケースつきの正規表現

[regex] [目的] のための正規表現を、[方言:例 PCRE、JavaScript、ICU] で書いてください。各部分の意味を説明し、マッチすべき文字列を5つ、マッチしない文字列を5つ示してください。また、うまく扱えないエッジケースがあれば教えてください。

仕事・コミュニケーション

10. [reply] 返信の下書き

[reply] 以下のメッセージへの返信を下書きしてください。私の目的は [目的] です。制約: [例 丁寧に、日程の約束はしない]。[N] 文以内でお願いします。やわらかめのバージョンと、より簡潔なバージョンの2案を出してください。

メッセージ:
[ここにメッセージを貼る]

11. [meeting] 議事メモをアクションリストに変える

[meeting] 以下の会議メモを、3文の要約、決定事項のリスト、アクションアイテムの表(タスク、担当者、期限)に整理してください。担当者や期限が不明な場合は、でっち上げず「未定」と書いてください。

メモ:
[ここにメモを貼る]

12. [system] 長いセッション向けの汎用ロールプロンプト

[system] この会話では、簡潔に答えてください。依頼があいまいな場合は確認の質問を1つだけしてください。自信がないときは推測せず、そう伝えてください。専門用語よりも平易な言葉を優先してください。指示なしでテキストだけを貼った場合は、どう処理してほしいか聞き返してください。

Maccyとほかのプロンプト保管方法を比較

Maccyは数ある選択肢のひとつで、特に得意な使いどころがあります。

方法 向いている用途 弱点
Maccy(ピン留め) あらゆるアプリで使う10〜25個のプロンプト。呼び出しが最速で、完全ローカル 変数・フォルダ・タグがない。長いプロンプトはプレビューが途中で切れる
ChatGPTのカスタム指示 / Claudeのプロジェクト 特定サービス内で自動的に効く、常設の前提条件や文体の指定 そのサービスに閉じる。単発のタスク別プロンプトには不向き
メモアプリ / Notionのページ 解説や使用例を添えた、大規模で整理されたライブラリ たどり着くまでが遅く、コピーして切り替える手間が毎回ある
テキスト展開 / スニペットツール 数百件のスニペット、略語展開、入力欄つきのテンプレート 導入の手間がかかり、有料やアカウント必須のものも多い

現実的な使い分けとしては、自分が何者で、どんな答え方を好むかはカスタム指示やプロジェクトに、繰り返し使うタスク別のプロンプトはMaccyに置くのがおすすめです。

正直に書く、Maccyの制約

  • プレースホルダー機能はない。Maccyはテキストをそのままペーストするので、角括弧の部分は手で書き換えることになります。入力欄つきのテンプレートが必要なら、スニペットツールのほうが適しています。
  • フォルダやタグはない。整理の手段は、先頭に付ける [タグ] と検索だけです。ピン留めが25個前後を超えると、一覧を目で追うより検索に頼る場面が増えます。
  • 長いプロンプトはプレビューしづらい。メニューにはアイテムの冒頭しか表示されないため、識別用のタグは必ず先頭に置いてください。
  • 端末間の同期はない。履歴はMac内にローカル保存されます。プライバシー面では利点ですが、ライブラリが別のMacには付いてきません。マスターコピーは、バックアップしているファイルに保管しておきましょう。
  • あくまでクリップボードであり、正本ではない。各プロンプトの正式版はテキストファイルやリポジトリで管理し、Maccyは高速に呼び出すための層として使うのが安全です。

プライバシー:ピン留めするプロンプトに入れてよいもの

ピン留めするプロンプトは繰り返し使うものなので、汎用的な内容にしておくべきです。顧客名、認証情報、個人情報、社内文書を含むテキストはピン留めしないでください。そうした情報が必要なときは、チャットに直接貼り付けましょう。

また、クリップボード履歴には、コピーしたすべてが残るという点にも注意が必要です。機密性の高い情報を扱う場合は、Maccyの設定を開いて「無視」に関するオプションを確認し、パスワードマネージャなどのアプリを記録対象から外しておきましょう。 Maccyはデータを手元のMac内に保持しますが、ローカル保存だからといってシークレットの扱いを雑にしてよい理由にはなりません。

「速い」だけでなく「良い」プロンプトに育てるコツ

  • うまくいった版を更新する。手直しして明らかに結果が良くなったら、ピン留めしてあるプロンプトを差し替え、マスターファイルも更新します。
  • 月に一度は整理する。1か月使わなかったプロンプトは、ピン留めを外しましょう。網羅的な一覧より、短い一覧のほうが速く呼び出せます。
  • わからないときの振る舞いを指示する。上のプロンプトのいくつかに「推測せず『記載なし』とする」といった一文があるのには理由があります。事実のでっち上げを減らす効果があるからです。
  • ツールをまたいでテストする。同じプロンプトでも、ChatGPTとClaudeで挙動が変わることがあります。調整が必要なものは、マスターコピーの横にメモを残しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

MaccyにChatGPTやClaude用のプロンプトを保存できますか?

はい。プロンプトをコピーしてMaccyを開き、ピン留めするだけです。ピン留めしたアイテムは履歴の先頭に残り、新しいコピーで押し出されることはありません。あとはChatGPTでもClaudeでも、好きなアプリにペーストできます。

MaccyはChatGPTのカスタム指示やClaudeのプロジェクトより優れていますか?

解決する課題が違います。カスタム指示やプロジェクトは、特定のサービス内で常に効かせたい前提を保持するものです。一方Maccyは、どのツールにもペーストできる「タスク別のプロンプト」を保管します。両方使っている人が大半です。

Maccyでプロンプトに変数やプレースホルダーを使えますか?

いいえ。Maccyは保存したテキストをそのままペーストします。一般的な回避策は、[ここにテキストを貼る] のように角括弧でプレースホルダーを書いておき、ペースト後に書き換える方法です。

機密情報を含むプロンプトをクリップボードマネージャに置いても安全ですか?

Maccyは履歴をMac内にローカル保存し、クラウド同期は行いません。それでも、繰り返し使うプロンプトは汎用的な内容にとどめ、機密情報はピン留めしないでください。Maccyの「無視」設定で、特定のアプリを記録対象から外すこともできます。

Maccyには現実的にいくつまでプロンプトを置けますか?

ピン留めは10〜25個程度が扱いやすい目安です。それを超えると検索が主な入口になるため、専用のスニペットツールやテキスト展開ツールのほうが向いている場合があります。

まとめ

プロンプト集が役に立つのは、探して呼び出すほうが打ち直すより速いときだけです。Maccyなら、その流れをショートカット、数文字の入力、Returnキーにまで縮められます。アカウントもサブスクリプションも要らず、プロンプトがMacの外に出ることもありません。まずは、いちばん頻繁に打ち直している3つのプロンプトに先頭タグを付けてピン留めし、「これも欲しい」と感じたときに少しずつ増やしていきましょう。

まだ導入していなければ、Maccyをダウンロードしてみてください。無料でオープンソースです。最後にひとつ、自問してみてください。今週、ゼロから3回以上打ったプロンプトはどれでしょうか?